ボンダイ(ボンK日報)

あれやこれや

それは本当に「正しい」ものなのか?

2012年以降になってやたらニュースとして取り上げられていることがある。それが「バイク通学が公共交通利用者のクレームによって渋々解禁に追い込まれている」というニュースだ。
これに対してネットでは「交通事故を助長させるな」「一日のほんのわずかの時間がそんなに不快か?」「一部のクレーマーに屈するのはおかしい」という意見がほとんど…いやすべてである。

さてここで私が述べたいのはバイク通学の是非ではない(私はバイク通学解禁反対派だ)。何年間も守られている通学禁止令を、たった数人のクレーマーによって破壊されることを良しとはしない。
オリンピックの開催阻止のこともあり、こうしたクレーマーが表に出やすい環境にあるのは確かだろう。だが本当にニュースなどが報じるように「オートバイ通学を解禁する学校が続出」というほどの状況になっているのか?

そこでオートバイ通学を解禁している地域を調べてみたが、ネット上に掲載されているニュース元がすべて「群馬県」と「茨城県」なのだ。クレームによって解禁した地域はネットで調べる限りこの2つしか見当たらない。
この風潮に憤慨しているサイトはいくつもヒットする。だがその根拠となっているのは上にあげた2つの県のことばかりである。

他にもバイク通学を許可した学校は多い。だがその理由はクレームが来たからではなく、公共交通の弱体化などの場合がほとんどだ。

あとは自撮り棒使用の禁止も続出しているという。
これもネットでたどると、最初の報道は鉄道会社でのそれに集約する。ここでまずAが言及し、BやCが同意したことで大きく世間に広まったようだ。そしてこのネットの情報源は鉄道関連サイトのようだ。

さらに「鉄道施設内での撮影・鉄道オタク利用禁止」という話題も出ている。これもまるで全国に広がっているように拡散しているが、実際に確認できたのはJR東日本千葉支社だけである。それもクレームが来ていたわけではなく、乗務員のプライバシーに配慮するためというそれだけの話だ。

ほんの数件のクレームに屈して伝統をやめたことは事実である。だが、その実例となる報告がほんの数件の事例ばかりであることを知っておいた方がいい。
そもそも地方でのバイク通学許可は最近始まったことではない。もう5年以上も前に遡ることなのだ。最近のクレーマーの話ではないことを心に止めておきたい。