ボンダイ(ボンK日報)

あれやこれや

2030年の横浜線

そろそろ23時を回り繁華街の人通りも少なく、終電も迫ってきたので、
席をはずし、東神奈川駅横浜線乗り場へと向かった

一昔まではかなりの通勤路線だったが、直通運転は昨年に全て休止され、
線内完結に統一されたので、悲しいほどに便利さは感じられない。

ホームに下りると、23時59分の八王子行き最終各駅停車を待つ人が数名。
多摩群発地震に伴う多摩地区の急激な過疎化と不景気に加え、3年前に名古屋~品川片道運賃1.1万円、最高速度500km/h16両編成定員1500人毎時10本のリニアモーター式の中央新幹線とオフィス街の衰退による川崎市都心部の再開発により川崎ニュータウンが開業して以来、東海道新幹線の利用者や横浜市内の人口も減少し、列車本数もやや削減され、町田から八王子間はローカル線化された。

やがて5分遅れて列車が入線。一応都会の横浜の駅のホームに8連のワンマン電車はやはり不釣合いだ。
ロングシートに身を沈めて窓外に目をやる。
ほどなく浮かび上がる不気味なオブジェクトは、一昨年閉店されたパチンコ屋。
荒れ果てた大口での乗り降りはゼロで、
8両で400人余りの乗客を乗せた電車は、大口発車後から地上に出る。

60km/hしか出ていないだろうが、並行する県道の車は30km/hに満たない速度で、わが列車に抜かれていく。
地上に出ても目に付くのは廃ビル、廃マンション、スラム街の類ばかり。
あれは2年前に開業した菊名駅ビルかと思えば、防音シェルターに囲まれた複々線東急東横線の高架が跨ぐ。

華やかな歓楽街を失う一方で、往年のアキバよろしくサブカルの進出が目覚しい新横浜と再開発でこれまた往年のシブヤよろしく歓楽街と文化の地と化した小机で客のほとんどは下車し、残るは私を含めて20人。
無料化された第三京浜の高架下を過ぎて、既に照明を落とした鴨居の住宅街を通過すれば、
目の前には中山のスラム街である。無人化されたグリーンラインの駅もある。
かつては毎日客を待つ人で殺気立った雰囲気さえあったと聞く駅周辺は、
今は見る影も無く、消えかかっている。

ここから先の乗客は10人で、列車は長津田までの5kmを走る。

長津田で私を降ろした列車は町田へと走り去る。
この駅は無人化されて久しく、改札口すら跡形もない。
かつては駅の周りには私鉄線が公園や大和市まで伸びていたというが、
今、私鉄線で行けるのは、渋谷方面だけだ。

ホームから降りた駐輪場の下に止めておいた自転車で、自宅に向かった。

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